デザインにおける「高級感」とは
デザインにおける「高級感」は、質の良さや価値の高さを感じさせるデザイン要素を指します。この「高級感」は、商品の魅力やブランド価値を直感的に伝えるために大切であり、主に色彩、タイポグラフィ、素材感、構図、余白の使い方などで表現されます。
高級感を生み出す要素
1. 色彩
高級感を伝える際は、色数を最低限に絞り、洗練さや落ち着きを感じさせることが重要です。一般的に、高級感を演出する色として以下のような傾向があります。
モノトーン系
ブラック、ホワイト、グレーはシンプルですっきりとした印象を与えます。特にブラックは、高級感や権威を象徴する色とされています。
深みのある色
ネイビー、ダークグリーン、バーガンディなどの濃い色は、重厚感とともに上質さを表現します。
金属系の色
ゴールド、シルバー、ブロンズなどのメタリックカラーは、高級感を演出します。ただし、使いすぎると派手になり、安っぽさにつながるため注意が必要です。
アクセントカラー
主にベースとなる落ち着いた色に対し、小さな範囲で赤やピンクなどの華やかな色を加えると、程よく洗練された印象を作り出します。
2. タイポグラフィ
フォントの種類
明朝体やセリフ体、筆記体のフォントは、伝統やクラシックな印象を与えやすく、高級ブランドでよく用いられます。一方、ゴシック体やサンセリフ体でも適切に使えば、現代的かつ洗練された印象を与えることが可能です。
文字の間隔
文字同士の間隔や行間を広めにとることで、余裕を感じさせるデザインになります。狭すぎる配置は詰まった印象を与え、高級感を損なうことがあります。
文字サイズの強弱
タイトルやロゴなど重要な要素を大きく配置し、他の文字を控えめにすることで、優雅さを演出できます。
3. 素材感の表現
マットな質感
光沢を抑えた落ち着いたマット調の仕上がりは、控えめながらも高級感を出すことができます。
金属や布のテクスチャ
デザイン内にゴールドやシルバーの光沢感や、サテン、レザー、ベルベットなどの上質な質感を取り入れることで、実物に触れたような高級感を伝えることができます。
4. 構図と余白
シンプルな構図
必要以上の要素を排除し、必要最小限の情報を配置することで、洗練された印象を与えます。
広めの余白
情報を詰め込みすぎず、余白を適度に取り入れることで、上質さやゆとりを感じさせます。
5. 装飾
シンプルで統一感のある装飾
過剰なデザインは避けつつ、さりげない装飾を加えることで、上品な印象を与えます。また、ロゴ、配色、フォント、写真のスタイルなどが一貫したデザインを用いることで、ブランド力を訴求することができます。
高級感の注意点
過剰な装飾を避ける
装飾を加えすぎると派手で安っぽい印象になりやすいので、控えめであることが重要です。
ターゲットとの適合性
ターゲット層によって「高級感」の感じ方は異なります。ゴージャスな高級感が求められる場合もあれば、モダンでミニマルな高級感が求められる場合もあるので、ターゲットに合わせた高級感を演出する必要があります。
高級感の具体例
クラシックな高級感
ワインや時計など伝統のあるブランドや製造に時間がかかるもののデザインに向いています。明朝体やセリフ体、筆記体などの細い線や流動的な線はクラシカルな印象を演出することができます。
モダンな高級感
最先端のテクノロジー製品やラグジュアリーカーのような非日常・ハイクオリティな雰囲気を表現したい時のデザインに向いています。シンプルで洗練されたミニマルなデザインを基調に、モノトーンや幾何学的構図で現代的な上質さを表現することができます。
ゴージャスな高級感
ホテルやリゾート、高級ジュエリーブランドなど特別感やプレミアムな雰囲気を表現したい時のデザインに向いています。暗めで彩度のある色を用いることで重厚な空気感を出すことができます。また、煌びやかな装飾もゴージャスさを出すためによく用いられますが、使いすぎると安っぽくなるので注意が必要です。
まとめ
デザインにおける「高級感」は、色彩、タイポグラフィ、素材感、構図などの各要素が統一され、洗練されたビジュアルを生み出すことで実現されます。また、「高級感」の中にも様々な高級感が存在します。高級感のあるものを制作する際は、ターゲット層やブランドイメージに合わせた高級感を演出する必要があります。