スノッブ効果

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スノッブ効果とは

スノッブ効果とは、「他人と同じものを持ちたくない」「人と違うものを所有したい」 という心理から生じる消費行動を指します。アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱されました。「Snob(スノッブ)」は英語で「俗物」や「気取り屋」を意味し、少数派であることや特別であることに価値を感じる人々の心理を表しています。

スノッブ効果が起こる理由

1.自己表現

人は商品やブランドを自分らしさを表現する手段として選びます。他人と同じものでは個性が埋もれると感じ、あえて希少性の高い商品や人とは違う選択肢を選ぶことがあります。たとえば、流行のファッションではなく独立系デザイナーの個性的なファッションを好む人や、大衆ブランドではなくクラフト系ブランドを好む人などはこれに当たります。

2.ステータス欲求

人は「自分が他人よりも優れている」「特別である」と感じたい欲求を持っています。スノッブ効果においては、希少な商品や限定的なサービスを所有することで、その人の社会的地位や経済力を誇示できます。たとえば、限定生産の高級時計やナンバリング入りのスニーカーは、誰でも手に入れられるわけではないという事実そのものがステータスとなります。

3.飽和回避

ある商品やブランドが広く普及し、誰でも持っている状態になると、それは特別なものではなくなります。このとき、希少性を失った商品から離れ、まだ広まっていない別の商品やブランドへと移行する人もいます。たとえば、あるファッションブランドが若者の間で大流行すると、先行して使っていた層は大衆化したと感じ、次のブランドを探し始める現象がこれにあたります。スノッブ効果は流行や人気が飽和する前に特別感を感じたいという欲求からも生じます。

スノッブ効果の具体例

1. 地域限定の商品

その場所に行かなければ手に入らないという希少性が、スノッブ効果を強く刺激します。たとえば、ご当地キットカットや地域限定スターバックスグッズは典型例です。特にお土産市場では、ここでしか買えないという限定性が強力な動機付けになります。

2. 期間限定の商品

今しか買えないという時間的な希少性がスノッブ効果を誘発します。たとえば、マクドナルドの期間限定メニューやスターバックスの季節限定ドリンクがこれにあたります。流行が広がると興味を失うスノッブ層でも、販売は今月末までといった条件があると手に入れた人だけの特権だと感じて購買意欲が高まります。

3.数量限定の商品

買える人数が限られているという制約によってスノッブ効果を誘発します。数量が少ないほど手に入れること自体がステータスとなり、所有者は他人との差別化を強く感じます。たとえば、アパレルブランドの数量限定コラボ商品や人気ブランドスニーカーの抽選販売などがあります。他の人には簡単に手に入れることができない希少性が購買意欲を高めます。

まとめ

スノッブ効果は、他人と同じではないことに魅力を感じる心理効果です。マーケティングでは「限定性」「特別感」「希少価値」を訴求することで、この効果をうまく活用することができます。

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