問題解決に便利な「ロジカルシンキング」では、いろいろなフレームワークを使うと効率よく、そして正確に考えることができます。ロジカルシンキングで使える代表的な5つのフレームワークを紹介します。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、思考対象を構成する要素をツリー状に書き出していくフレームワークです。原因や問題などの要素を整理して可視化することで、複雑な事柄を理解しやすくします。ロジックツリーには4つのタイプが存在します。
要素分解ツリー
要素分解ツリーとは、分析する物事をどんどん分解していき、要素を網羅的に把握するためのロジックツリーです。
原因追及ツリー
原因追及ツリーとは、悩みや問題などの根本的な原因を突き止めるためのロジックツリーです。「なぜそうなったのか」と問いかけて深掘りしていきます。
問題解決ツリー
問題解決ツリーとは、悩みや問題などの解決策を洗い出すロジックツリーです。「どのような方法があるか」「どうすればより良くなるか」と問いかけて深掘りしていき、最終的には具体的なアクションにまで落とし込みます。
KPIツリー
KPIツリーとは、問題解決ツリーに具体的な数値目標を設定したロジックツリーです。KPI(Key Performance Indicators)とは重要業績評価指標のことで、KGI(Key Goal Indicator:目標達成指標)を達成するための中間目標として使われる指標です。
3C分析
3C分析とは、Customer(市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字をとったもので、市場のトレンドや競合他社の動向、自社の状況を把握し、市場展開の仕方を分析するフレームワークです。
1:市場・顧客の分析
まず「市場」と「顧客」の2つの視点から分析します。「市場」の分析項目には市場規模や市場の成長性、市場状況の変化などがあり、「顧客」の分析項目にはニーズや購買行動などがあります。
市場
- 市場規模
- 成長性
- 市場状況の変化
など
顧客
- ニーズ
- 購買行動
- 購買プロセス
など
2:競合の分析
次に競合の分析を「結果」と「要因」の2つの視点から行います。「結果」は、市場のシェアや売上などのビジネスにおける成果であり、「要因」はその結果を出せた背景や理由にあたります。
結果
- 市場シェア
- 売上
- 利益率
- 顧客単価・売上単価
など
要因
- 製造工程
- 営業体制
- 販売ルート
- 顧客サポート
など
3:自社の分析
最後に市場の変化や競合の動きと自社とを比較し、自社の強みと弱みを導き出します。
分析項目
- 商品やサービスの特徴
- 市場シェア
- 収益
- 販路
- 経営資源
など
4P分析
4P分析とは、Place(流通)、Price(価格)、Product(製品)、Promotion(販売促進)の頭文字をとったもので、「何を、いくらで、どこから、どうやって売るか」を考えるフレームワークです。マーケティングミックスとも呼ばれています。製品→価格→流通→販売促進の順に考えていきます。
1:製品の分析
顧客のニーズを満たす製品やサービスを考えます。また、自社製品の強みや弱みなど競合と比較し分析していきます。
2:価格の分析
購入するかどうかの大きな決め手となる要素が価格です。その製品やサービスから得られる価値とそれに支払う対価が合っているか、競合の価格はどうか、利益はどのくらい確保するかの検討が必要です。
3:販売場所/方法の分析
製品やサービスの特性や顧客のターゲット層を考えながらどこで、どのように提供するかを分析します。
4:販売促進の分析
自社製品の強み、他社との違いを考え、それを訴求するための効果的な訴求媒体を検討します。媒体には、CMやSNSなど様々なものがありますが顧客のターゲット層に合ったものを選ぶことが重要です。
SWOT分析
SWOT分析とは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字をとったもので、現状把握をすることができるフレームワークです。各要素を内部環境、外部環境、マイナス要因、プラス要因に分けて分析していきます。
内部環境の分析|強み(Strengths)/弱み(Weaknesses)
「強み」では他社と差別化できている点や自社製品やサービスが選ばれている理由を分析します。「弱み」では自社が苦手としている点や他社製品やサービスが選ばれている理由を分析します。
外部環境の分析|機会(Opportunities)/脅威(Threats)
「機会」では自社を取り巻く市場の変化やその変化に伴う競合の動きを分析します。「脅威」では自社の強みに影響する市場の変化やその変化に伴う競合の動きを分析します。
クロスSWOT分析
SWOT分析で洗い出した要素をそれぞれ掛け合わせて分析し、具体的な戦略を考えます。
- 強み×機会:自社の強みを機会に活かし成長する
- 強み×脅威:脅威に対して強みで対処する
- 弱み×機会:機会を活かすために弱みを克服・改善する
- 弱み×脅威:弱みを理解し、脅威を避ける
PDCA
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったもので、この4つの行動を段階に分け、繰り返し行うことで活動レベルを上げていくフレームワークです。
まとめ
今回取り上げた5つのフレームワーク以外にも、様々なフレームワークがあります。ロジカルシンキングをスムーズに行うためには、目的に合ったフレームワークを活用することが大切です。