仮説思考とは
仮説思考とは、問題解決や意思決定を行う際に、まず「仮説」を立て、それをもとに情報収集や分析を進めていく考え方です。ビジネスや研究、日常生活など、さまざまな場面でスピーディに問題に取り組むことができます。
仮説思考の基本的なプロセス
仮説思考は以下の5つのプロセスで構成されています。
1.現状を把握する
現在手元にある情報を整理します。情報整理を行うことで客観的に現状把握することができます。
ここで大切なことは追加で情報収集を行わないことです。この段階の目的は、現状把握をして仮説を立てる前の事前準備をすることです。情報整理を行なっているうちに目的を外れて必要以上の情報収集を行わないよう何を目的とした情報収集なのかを念頭に置いて作業します。
2.仮説を立てる
問題の原因や解決策について「おそらくこうだろう」という仮説をまず立てます。この仮説は必ずしも正確である必要はありません。仮説が間違っていたとしてもプロセスを循環させていくことで、徐々に精度を上げていくことができます。
3.仮説に基づいたデータを集める
立てた仮説を検証するためのデータや情報を集めます。この段階で、仮説を否定する証拠も含めて幅広く情報を集めることが大切です。
4.検証・分析をする
データをもとに仮説の正確性を確認します。仮説が正しい場合もあれば、修正や破棄が必要な場合もあります。
5.新たな仮説の立案・修正
必要に応じて仮説を見直し、新たな仮説を立てて再び検証を進めます。
仮説思考のメリット
効率的でスピーディな問題解決
最初に仮説を立てることで、膨大な情報の中から必要なデータを絞り込み、効率的に解決策を導き出すことができます。
素早い軌道修正
仮説が間違っていても、修正を繰り返すことですぐに軌道修正するとこができます。
チーム間の連携強化
仮説を共有することで、メンバー間で共通の前提を持ちやすくなり、スムーズな議論や意思決定が行えます。
仮説思考を実践する際のポイント
様々な視点を持つ
仮説を立てる際には、多様な視点で問題を捉えることが重要です。例えば、真逆の視点に立ち、顧客や経営者など多角的な立場から考えることで、一辺倒でない仮説を立てることができます。また、常識や制約を一度外し、ゼロから発想することで、既存の枠を超えた創造的なアイデアを生み出すことができます。
事実や仮説を深掘りする
仮説思考では、事実や仮説を深掘りすることが重要です。「なぜ？」や「だからどうなのか？」と考え続けることが不可欠であり、安易な原因に飛びつくと表面的な対策に終始してしまいます。日常から「なぜ」「だから」を意識し、深掘りする習慣をつけることで、仮説の質と解決策の効果を向上させることができます。
まとめ
仮説思考は、仮説を基に情報収集・分析を行い、効率的かつ迅速に問題解決や意思決定を進める思考法です。仮説を共有することで議論がスムーズになり、誤りがあっても迅速に軌道修正が可能です。また、深掘りや多様な視点を意識することで、本質的な解決策や創造的なアイデアを導き出すことができます。
