デザインにおける「かわいい」とは
デザインにおける「かわいい」とは、見る人に親しみや安心感、喜びを感じさせる要素のことを指します。「かわいい」は文化や時代、個々の感性などに左右されるものであり、具体的には形状、色彩、タイポグラフィ、構図などの要素が統合されて「かわいさ」を感じさせるデザインが作られます。
「かわいい」を生み出す要素
1. 形状
「かわいい」と感じさせる形状には、柔らかさや丸みを持つものが多く含まれます。直線や鋭角的なデザインではなく、曲線や小さな形が親しみやすさを演出します。
2. 色彩
「かわいい」を象徴する色彩は、明るく柔らかいトーンが中心です。パステルカラーやくすみカラーは落ち着きや温かみを感じさせます。一方で、ポップなかわいさを演出するときには、鮮やかなカラーの組み合わせが用いられます。
3. タイポグラフィ
フォントの種類
手書き風や丸みのあるフォントがよく用いられます。堅苦しさを無くし、軽快で親しみやすい印象を与えます。
文字間やサイズ
文字間隔を広めにとったり、小文字中心の構成にすることで、柔らかさがさらに強調されます。
4. キャラクターやイラスト
子どもや動物のイラスト、デフォルメされたキャラクターなどは見る人に親しみ感を与え、デザインに取り入れることでかわいさを演出することができます。
「かわいい」の具体例
キュートで愛らしい「かわいい」
キャラクターグッズや子供向け商品などのデザインに向いており、愛らしさや親しみやすさを感じさせるデザインです。緩やかな曲線やパステルカラーなどの柔らかい色合い、手書き風や丸みのあるフォントが用いられます。
ポップで元気な「かわいい」
子供向けのワークショップなど楽しさやわくわく感を伝えたいデザインに向いています。鮮やかなカラー配色や個性的なデザインフォントが用いられます。レイアウトはダイナミックで視線を引きつける構成が多く、子どもから大人まで楽しめるデザインです。
大人っぽい「かわいい」
アクセサリーなど大人の女性向け商品のデザインに向いています。落ち着いたトーンのピンク、ベージュ、グレーなどの柔らかいカラーを基調とし、シンプルで洗練されたフォントが用いられます。過剰な装飾を避け、控えめなリボンやレースなどでさりげない華やかさを演出します。
シンプルでナチュラルな「かわいい」
北欧デザインやモダンな文具、雑貨などに用いられ、自然素材や素朴さを生かした温かみのあるスタイルが特徴です。ホワイトやベージュ、ペールグリーンなどのアースカラーが用いられ、手描き風のイラストやゆるやかなフォルムが親近感を与えます。また、余白を生かしたレイアウトや控えめな装飾が、ナチュラルで穏やかなかわいさを際立たせます。
まとめ
デザインにおける「かわいい」は、文化や時代、ターゲットによって多様に変化しますが、基本には「柔らかさ」「親近感」「愛嬌」といった普遍的な感覚が存在します。適切に「かわいい」をデザインに取り入れることで、商品やブランドに対してポジティブな印象を与え、ユーザーの心をつかむ効果が期待されます。
