ブルーオーシャン戦略

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ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略とは、競争が激化した既存市場から抜け出し、まだ誰も開拓していない新しい市場や需要を創造する戦略のことです。競合他社と同じ土俵で戦うのではなく、競争を避けることで持続的な成長を目指します。

この戦略を提唱したのは、フランスの経営学者W・チャン・キムとレネ・モボルニュで、2005年に出版された「ブルー・オーシャン戦略」で世界に広まりました。

レッドオーシャンとの違い

ブルーオーシャン戦略を理解する上で、対比されるのがレッドオーシャン戦略です。

レッドオーシャン

レッドオーシャンとは、既存の市場でシェアを奪い合い、競争が激しく価格競争や広告合戦に陥っている状態です。たとえばスマホ市場では、AppleやGoogle、Samsungなどが激しく競い合っており、価格や機能の差別化が難しくなっています。

ブルーオーシャン

未開拓の市場や新たな需要を生み出し、競争相手が存在しない状態です。企業が先駆者となり、市場ルールそのものを作れるため、強力な競争優位を得られます。

ブルーオーシャン戦略の基本フレームワーク

1. 4つのアクション(ERRCグリッド)

ブルーオーシャン戦略を考える際の代表的なツールがERRCグリッドです。業界の常識を疑い、次の4つの視点で事業を見直します。

  • Eliminate(排除)
    顧客にとって価値のない要素を思い切って取り除く。
  • Reduce(削減)
    過剰に提供されている要素を削減し、コストを抑える。
  • Raise(付加)
    業界水準より高い要素を強化する。
  • Create(創造)
    これまでになかった新しい価値を作り出す。

2. バリューイノベーション

ブルーオーシャン戦略の中心にあるのがバリューイノベーションです。これは「差別化」と「低コスト」を同時に実現することで、新しい市場価値を生み出す考え方です。従来の戦略では差別化はコスト増と考えられがちですが、不要な要素を削りつつ新しい価値を加えることで両立させます。

ブルーオーシャン戦略の事例|Netflix

1990年代、アメリカではDVDレンタル店が主流でした。Netflixは「店舗をなくし、郵送でDVDを届ける」モデルを導入し、物理店舗という業界の常識を排除しました。

その後、インターネットの普及を機にオンライン配信サービスへ移行し、視聴者が好きな時に好きな場所で映画を見られる体験を創造しました。さらに、自社オリジナル作品を制作することで「コンテンツ提供者」であり「スタジオ」でもある立場を築き、競争のルール自体を変えました。 Netflixは映像配信プラットフォームという新たな市場を創出し、世界中で1億人以上の有料会員を獲得するまでに成長しました。

ブルーオーシャン戦略のメリットと注意点

メリット

競争がない市場で優位に立てる

先行者として市場を独占できます。

新しい需要を生み出せる

既存市場に存在しない顧客層を取り込むことができます。

価格競争から脱却できる

安さではなく独自の価値で勝負することができます。

注意点

投資リスクが高い

市場をゼロから作るため、開発やマーケティングに大きな資金が必要になります。

模倣のリスク

成功すると競合が参入し、ブルーオーシャンがレッドオーシャン化する可能性があります。

まとめ

ブルーオーシャン戦略は、既存市場での競争を避け、新たな市場や需要を創造して競争を無意味にする戦略です。その実現には、従来の当たり前を見直し、不要なものを削り、新しい価値を加えるバリューイノベーションが不可欠です。

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